組み上げられたカーネルスタック
FlashMLA、DeepGEMM、DeepEP、TileKernels、DeepSelect、そして独自のTileLangカーネルが1つのエンジンに組み込まれている。部品自体は以前から公開されていたが、今回それらが1つのエンジンとして統合された。
DeepInferは、DeepSeek-V4.1-Flashを大規模にサービングするためのDeepSeekのオープンソース推論フレームワークだ。本サイトは独立系のフィールドガイドとして、Apache-2.0ライセンスでの公開、NVIDIA SM100とHuawei Ascend 950への対応、ベンチマークの注意点、そしてリリースに含まれないKV cache、prefill/decode、ロードバランシングの各部分を扱う。
実運用から生まれた推論エンジンだ。最適化カーネル、expert parallelism、投機的デコード、sliding-window方式のキャッシュ復元、非同期スケジューリング、決定論的モードを備える。DeepSeekは併せて、APIプロトコル変換とトークナイズを担うライブラリdeepseek-recipeも公開した。
フロンティア級のオープンウェイトモデルをDeepSeekが実際にどうサービングしているかを覗ける、貴重な事例だ。decodeでのWide-EP、信頼度に基づいて投機をスケジュールする仕組み、正確さと引き換えに再計算を有界にするキャッシュ方針。コードを一度も動かさなくても、アイデア自体に学ぶ価値がある。
FlashMLA、DeepGEMM、DeepEP、TileKernels、DeepSelect、そして独自のTileLangカーネルが1つのエンジンに組み込まれている。部品自体は以前から公開されていたが、今回それらが1つのエンジンとして統合された。
attentionはデータ並列、MoE部分はexpert parallelismを使う。DeepSeekの本番設計では、decodeはエキスパートを64〜128基のGPUに分散し、ホットなエキスパートを冗長コピーで平準化する。
draftトークンを先に提案し、confidence headがどれを検証する価値があるか予測する。DeepSeekは本番の動作点でスループット+4〜7%と報告している。
レイヤーごとにsliding-windowキャッシュ全体を再構築する代わりに、直近の末尾だけを再実行する。結果は近似になるが、再計算コストは有界に収まる。
GPUが現在のバッチを実行している間に、CPUが次のバッチを準備する。狙いはdecodeステップ間の遊び時間をなくすことで、スループットに効く地味だが重要な実装詳細だ。
バッチ不変推論と決定論的サンプリングがNVIDIA上で利用できる。派手さはないが、ベンチマークとエージェント実行を監査可能にする機能だ。
DeepInferはエンジンであり、サービスではない。READMEはこの違いについて異例なほど率直だ。完全な推論サービスには、KV cacheシステム、prefill/decode分離、データ並列レプリカ間のロードバランシングも必要になる。この3つはいずれもリリースに含まれていない。
欠落は不祥事ではない。設計上の境界線だ。DeepSeekは自社インフラと最も強く結合した部分を手元に残した。だがその選択は、誰がこのコードを使えるのか、何を期待できるのかを変える。
DeepInferという名前は、無関係な2016年の医療画像ツールキットと、無関係な2023年のスマートコントラクト型推論プロジェクトも指す。本サイトが扱うのはDeepSeekの2026年の推論フレームワークのみだ。 名称の識別ページへ →
DeepSeekは推論エンジン全体の公開は現実的でないと説明する。コードがvLLMから大きく分岐し、社内インフラと結合しており、チームにメンテナンスの余力がないためだ。
Ascend向けの地ならし。DeepGEMM-Ascend、DeepEP-Ascend、カーネルスタック向けのAscendバックエンドが登場。DeepInferはまだない。
リポジトリdeepseek-ai/DeepInferが作成される。
公式Xスレッドと公開リポジトリ。コードは3つの公開コミットとともに登場する。
スナップショット: スター約5.4k、フォーク408、オープン項目47。120コメントのHacker Newsスレッドもすでに動いている。
繰り返し出た技術的な異議は速度の話ではなかった。欠けているKV cacheについてだった。数時間のうちに、コントリビューターはSM90/H20とAscend 910CサポートのRFCも起票している。これは公式のハードウェア一覧を超える要望であり、提供済みのサポートではない。
DeepInferは実行していない。SM100もAscend 950も手元にない。本サイトの数字はすべて公開資料に出典を紐づけており、検証できなかった主張にはその旨を明記している。